
「夜中に2〜3回起きてしまう」「眠りが浅くて朝がつらい」
そんなご相談をよくいただきます。
年齢のせいだと言われることもありますが、実際には
加齢だけが原因ではありません。
確かに、年齢を重ねると抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)の分泌が減るため、
夜にトイレへ行きたくなる回数が増え、中途覚醒につながることがあります。
しかし、中途覚醒のすべてが加齢によるものではなく、
寝入りの深さ・生活習慣・ストレス・痛みなどの影響の方が大きい場合がとても多いのが現実です。
今回は、何が中途覚醒を起こしているのか、どうすれば改善できるのかを、
医学的な根拠と、日々患者さんを診ている実感の両面からまとめました。
最初の90分が睡眠の質の8割を決める
人の眠りは「深い眠り(ノンレム)」と「浅い眠り(レム)」を、90分周期で繰り返しています。
この最初の90分が一番深くなるのが理想的です。
しかし、寝入りが浅い状態でスタートすると、
・夜中に目が覚めやすい
・些細な物音で起きる
・トイレに行くほどではないのに目が覚める
・朝スッキリしない
という中途覚醒が起きやすくなります。
つまり、中途覚醒は夜中の問題ではなく、寝入りの問題であることが多いのです。
中途覚醒を引き起こす代表的な原因
1. 交感神経が下がりきっていない
日中ストレスや緊張が続いていると、夜になっても身体が「戦闘モード」のまま。
当然、眠りは浅くなります。
2. ブルーライト(スマホ・PC)の光
寝る前のスマホ操作は、脳が“昼間”と判断してしまうため、メラトニン分泌が遅れ、寝入りが浅くなります。
3. カフェインの影響
午後の遅い時間のコーヒー・緑茶・紅茶も要注意。
カフェインは5〜8時間残るため、夜の眠りを浅くしてしまいます。
4. 血糖値の乱高下
夕食が少なすぎたり、逆に甘いものを摂りすぎると、夜中に血糖値が下がりすぎて脳が覚醒します。
5. 肩こり・腰痛など身体の不快感
寝返りをうつたびに肩や腰が気になると眠りが浅くなります。
肩こり・坐骨神経痛の患者さんに中途覚醒が多いのはまさにこれが理由です。
朝のタンパク質が夜の睡眠をつくる
中途覚醒の改善で意外と重要なのが朝の食事です。
朝にタンパク質を摂ると、その中のトリプトファンが脳に届き、
日中にセロトニン(リラックスホルモン)がしっかり作られます。
このセロトニンは、夜になると光刺激が弱まることで
メラトニン(眠りのホルモン)に変換されます。
そしてこのメラトニンこそ、深い寝入りをつくる重要なホルモンです。
つまり、
朝のタンパク質
→ 昼のセロトニン
→ 夜のメラトニン
→ 深い睡眠
→ 中途覚醒の減少
という流れができます。
手軽に摂れるものとしては、
・卵
・ヨーグルト+ナッツ
・納豆・鮭
・チーズ
・忙しい日はプロテインでもOK
こんな組み合わせがおすすめです。
寝入りを深くして中途覚醒を防ぐ方法(今日からできる習慣)
1. お風呂は寝る90分前
38〜40℃のお湯で10〜15分。
体温がゆっくり下がるタイミングで眠気が自然に出ます。
2. 寝る1時間前にスマホをやめる
画面の光は脳を覚醒させます。
照度を下げる、ナイトモードにするだけでも変わります。
3. 夕方以降はカフェインに注意
夕方の1杯が夜の睡眠を妨げるケースは多いです。
4. 部屋の明かりを暖色に
白色LEDは脳を昼間だと勘違いさせます。
オレンジ系の間接照明が効果的です。
5. 軽いストレッチや深呼吸
肩回りを緩め、呼吸が深くなると、副交感神経が働いて寝入りが深くなります。
6. 血糖値を安定させる
寝る直前の甘いもの・夜食は避ける。
空腹が強い日は軽いタンパク質(ゆで卵やチーズ)を。
加齢で避けられない部分もあるが、改善できる部分の方が多い
バゾプレッシンの分泌が減ることで、
夜間の尿量が増え、中途覚醒につながるのは確かです。
しかし、中途覚醒を訴える方の多くは、
生活習慣・寝入り・痛み・ストレスといった
改善できる要素の影響が大きいのも事実です。
つまり、「加齢で起こる部分もあるが、生活習慣で改善できる部分の方が大きい」ということです。
中途覚醒は「歳だから仕方ない」と諦める必要はありません。
日中の過ごし方、夕方の習慣、寝る前の準備、そして寝入りの改善で、
多くの方が睡眠の質を取り戻せています。
名東ごとう接骨院では、
痛みの施術だけでなく、睡眠や生活習慣の相談にも対応しています。
お困りの方はお気軽にご相談ください。
柔道整復師、栄養睡眠カウンセラー
後藤康之

