ブログ
2017年01月26日
こんにちは、接骨院三幸堂の後藤です。
数年前の症例です。
【症例者】
年齢:46歳 性別:女性 職業:事務職
【現病歴】
腰部痛
2~3ヶ月前から椅子から立ち上がる時に痛みがあった。2月18日、同様に椅子から立ち上がる際、腰部に急激な痛みが現れた。2月19日、整形外科を受診。X線では異常所見なし。2月28日に当院来院。来院時には徐々に痛みは軽減してきていた。
【初期評価】
・安静時痛(-) ・圧痛(+):脊柱起立筋(L3-L5近傍)、椎間関節(L3-L5) ・神経症状(-)
・SLR:左右70°・・ROM:体幹屈曲指床間-10㎝ ・運動時痛(+):体幹伸展で痛みがある
・筋緊張(+):脊柱起立筋群、多裂筋 ・Thomasテスト(+)
【メカニズム】
椅子からの立ち上がりで痛みがあることから、動作分析を行った。立ち上がり動作は、重心を前上方に移動することで成り立つ。初動作では、体幹の前傾と足関節背屈による下腿前傾であり、これは重心を前方に移動させる。その後、股関節伸展と膝関節の伸展により重心の上方移動が達成され立位姿勢となる。 この患者はしゃがみこみの姿勢で踵が地面に着くことができず、足関節背屈の可動域が十分でない。そのために足の着く位置が重心から離れてしまう。したがって体幹前屈が大きくなり、この際、腰椎前弯が増強し椎間関節に負担をかけていると考えられる。腸腰筋の硬直も腰椎前弯の因子として考えられる。
【治療プログラム】
・干渉波(15分)・・・腰背部の筋緊張の除去
・手技(10分)・・・腰背部の筋緊張の除去、腸腰筋、ハムストリングスの柔軟性の改善
・運動療法・・・スイスボールでストレッチ、バウンドで筋バランスの改善を図る
解説…慢性の筋膜性腰痛の患者さんでした。この方は足首の関節が硬い状態でした(かかとを地面につけたまましゃがめない)。事務職で椅子から立ったり座ったりすることが多いのですが、足首が硬いため立ち上がるときの足の位置が理想より前方になり腰の筋肉にストレスがかかっていました。ちょっとしたことですが、仕事で同じ動きが多いので筋肉に対しては大きなストレスになっていました。この方にはふくらはぎの筋肉をストレッチなどで緩めて、また立ち上がるときの姿勢などを意識してもらうよう指導し、徐々に改善していきました。
ブログ
2017年01月20日
以前来られた患者さんです。
【症例者】
年齢:62歳 性別:男性 職業:理容師 スポーツ:ゴルフ(頻度は週一回程度のラウンドと週2~3回の練習)
【現病歴】
腰痛症
10年ほど前より腰部に痛みがあった。1月14日、ゴルフのラウンド終了後に腰部の痛みが強くなった。1月17日当院来院。
【評価】
・安静時痛(-) ・圧痛(+):左腰方形筋、左脊柱起立筋(L4-L5近傍) ・神経症状(-)
・SLR:左右50°・ROM:体幹屈曲指床間-40㎝ ・筋緊張(+):ハムストリングス、大殿筋
【メカニズム】
ゴルフスイングは脊柱の側屈と回旋の複合運動であるが、過度な側屈や回旋は脊柱起立筋を中心とした体間筋群や椎間関節、椎間板さらには仙腸関節に変性をもたらす。特に回旋については、椎間関節の椎間面の向きから著しく制限されており、過度な回旋による腰椎ならびに周辺組織への負担がかなり大きくなっていると考えられる。またスイング中は常に股関節軽度屈曲位を保つことが望ましいが、ハムストリングスや大殿筋といった下肢後面の筋緊張が大きいと股関節の屈曲制限因子となる。このため腰椎の屈曲による代償運動が生じ、この繰り返しによって腰痛は発症していくものと考えられる。左側の症状が強いのはゴルフスイングではインパクトを中心に、左側に重心が掛かり負担が生じていると考える。
【治療プログラム】
・干渉波(15分)・・・腰背部の筋緊張の除去
・手技(10分)・・・腰背部の筋緊張の除去、殿筋群、ハムストリングスの柔軟性の改善
・運動療法・・・スイスボール、バランスクッションを用い、筋バランスの改善を図る
解説…ゴルフの好きな方でした。よくゴルフは「腰を回せ」とか「腰で振れ」とか言われますが、背骨の構造上、腰のあたりの背骨は回転しにくいようにできてます。ですので腰を回そうとすると腰を痛めてしまいます。ではどうすればいいかというと股関節の柔軟性が重要になっていきます。この患者さんも、股関節のストレッチと、ちょっとした体の使い方の意識で改善されていきました。
ブログ
2017年01月19日
以前来られた患者さんの症例です。
【症例者】
年齢:60歳 性別:女性 職業:美容師
【現病歴】
腰部痛
20年来腰部に痛みがあるが、本年2月に入り、特にお客さんの洗髪をする際、腰部の右側に痛みが出るようになった。2月4日に当院来院。
【初期評価】
・安静時痛(-) ・圧痛(+):右腰方形筋、右脊柱起立筋(L4-L5近傍) ・神経症状(-)
・SLR:左右60°・ROM:体幹屈曲指床間-20㎝ ・運動時痛(+)体幹屈曲、左回旋で圧痛部に痛
みがある ・筋緊張(+):脊柱起立筋群、ハムストリングス
【メカニズム】
不良姿勢による筋筋膜性腰痛と考える。この患者の場合、股関節伸筋群の筋緊張があり、体幹屈曲の可動域が制限されている。特に体幹屈曲時には股関節伸筋群の筋緊張のため、腰椎骨盤リズムが乱れ、重心が前方に移動する。これにより脊柱起立筋群に負担が強く掛かると考えられる。右側に症状が強く現れるのは、洗髪の際に右側から覆いかぶさるということで、左回旋の時に右側に重心が掛かるためと考える。また背部筋の筋緊張も回旋時に腰椎が代償運動をするため、腰部の負担を強くしていると推測できる。
【治療プログラム】
・干渉波(15分)・・・腰背部の筋緊張の除去
・手技(10分)・・・腰背部の筋緊張の除去、殿筋群、ハムストリングスの柔軟性の改善
・運動療法・・・スイスボール、バランスクッションを用い、筋バランスの改善を図る
【経過】
2月22日現在、体幹屈曲指床間-10㎝程度になり、痛みも軽減している。
解説…美容師さんは来院頻度の高い職業の一つです。どうしても前かがみの姿勢が多く首に負担をかけている方が多いようです。仕事の性質上仕方のないことですので、日ごろのケア、メンテナンスが必要です。当院は急なケガはもちろん、慢性的なケア・メンテナンスの施術も行っています(当然健康保険は使えませんよ)。お気軽にご相談、ご来院ください。