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【知らないと損?】睡眠とカフェインの深い関係〜ぐっすり眠るために見直すべき習慣〜

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2025年07月1日

はじめに

「コーヒーがないと一日が始まらない」 そんな方も多いのではないでしょうか。 朝の目覚まし代わり、仕事の合間のリフレッシュ、ちょっとした気分転換にコーヒーや緑茶、エナジードリンクを手にするのは日常の一部となっています。

しかし、こうしたカフェイン飲料の摂取が「睡眠の質」に影響していることをご存じでしょうか?

この記事では、睡眠とカフェインの関係について、科学的な根拠とともに、日常生活の中で気をつけるべきポイントをお伝えします。 眠りの悩みを抱える方、もっと深く眠りたい方、健康的な生活習慣を身につけたい方にとって必読の内容です。


第1章:カフェインとは何か?その働きを正しく知る

カフェインはコーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート、エナジードリンク、栄養ドリンクなどに含まれる天然の刺激物質で、中枢神経を一時的に活性化させる作用があります。

主な働きは次の3つです。

  1. 覚醒作用(眠気を覚ます) アデノシンという「眠気を引き起こす脳内物質」の働きをブロックすることで、眠気を感じにくくなります。
  2. 代謝促進 心拍数や血圧を上昇させ、代謝を一時的に高める効果があります。
  3. 集中力・運動能力の向上 勉強や仕事のパフォーマンスを一時的に高めることが報告されています。

カフェインは決して悪者ではなく、「摂取のタイミングと量」を誤らなければ、上手に付き合える優秀な成分です。


第2章:カフェインが睡眠に与える影響

では、カフェインが睡眠にどのように関係してくるのでしょうか。

1. 入眠を妨げる

カフェインが脳内のアデノシン受容体をブロックすると、本来「眠る準備」に向かう脳が、覚醒状態のままになります。 その結果、「眠たいはずなのに寝つけない」「布団に入っても目が冴えてしまう」といった状態になります。

2. 睡眠の質を下げる

たとえ眠れても、カフェインが体内に残っていると、深い眠り(ノンレム睡眠)に入りづらくなり、浅い眠りが続いてしまうことがあります。 この状態では朝起きても「眠ったはずなのに疲れが取れていない」と感じがちです。

3. 夜中に目が覚めやすくなる

カフェインの利尿作用や交感神経の刺激によって、夜中にトイレに起きたり、夢を多く見て眠りが浅くなるなどの影響も報告されています。


第3章:カフェインの「持続時間」とは?

ここで重要なのが、「カフェインの持続時間(半減期)」です。

  • カフェインの半減期はおよそ4〜7時間 つまり、午後3時に1杯コーヒーを飲んだ場合、夜9時〜10時になっても体内には半分程度のカフェインが残っているということになります。
  • 個人差が大きい 肝臓の代謝酵素の働き、年齢、妊娠中、薬の服用、遺伝的体質などによって、カフェインが長く体に残る人もいます。

特に「寝つきが悪い」「眠りが浅い」と感じている方は、午後以降のカフェイン摂取を控えることで改善する可能性があります。


第4章:カフェインと睡眠の関係を示す研究データ

● アメリカ・ミシガン大学の研究(Drake et al., 2013)

  • 寝る6時間前にカフェイン200mg(コーヒー2杯程度)を摂取すると、
    • 総睡眠時間が平均1時間短くなる
    • 入眠までの時間が長くなる
    • 深い眠りの割合が減る

● 日本睡眠学会「睡眠と生活習慣に関するガイドライン」

  • 不眠症の人の約30%が「カフェイン摂取のタイミング」に問題があるとされています。

このように、「午後のカフェインがその日の睡眠に悪影響を及ぼす」というデータは明確に存在しています。


第5章:カフェインと上手につき合う5つのポイント

  1. カフェインは「午前中に楽しむ」 朝の1〜2杯程度なら、脳の覚醒にも役立ちます。午後はノンカフェイン飲料(ルイボスティー、麦茶など)に切り替えましょう。
  2. 惰性の夕方コーヒーは見直す 「なんとなく飲んでいる」だけなら、温かいハーブティーに置き換えるだけで睡眠の質が変わるかもしれません。
  3. 14時以降はカフェインNGルールを設ける まずは2週間だけでもやってみることで、自身の体感を確認できます。
  4. エナジードリンク・チョコにも注意 無意識にカフェインを摂っていることもあるので成分表示を確認しましょう。
  5. 「眠れない=コーヒーのせいかも?」と疑う習慣を 実は午後のカフェインが睡眠を妨げていたというケースは多々あります。

第6章:睡眠の質が変わると、人生が変わる

カフェインの摂取を見直し、深く質の高い睡眠を手に入れることで、私たちの心身にはさまざまな変化が現れます。

  • 朝の目覚めがすっきりする
  • 日中の集中力が高まる
  • イライラや気分の落ち込みが減る
  • 免疫力が上がる
  • 食欲・ホルモンバランスが整う

私たちの体は、「眠っている間に回復する仕組み」でできています。つまり、睡眠は健康のベースです。


おわりに 〜あなたも今日から“午後のコーヒー”を見直してみませんか?〜

私自身、「栄養睡眠カウンセラー」としてさまざまな方の睡眠の悩みと向き合ってきました。 その中で感じるのは、「意外なほど多くの人が“カフェインの影響”に気づいていない」という事実です。

睡眠を変えるには、特別なサプリや高級なマットレスよりも、まず日中のカフェイン習慣を見直すことが最初の一歩かもしれません。

ぜひあなたも、今日から「カフェインと睡眠の関係」を意識して、ぐっすり眠れる夜を手に入れてください。


参考文献

 

監修:柔道整復師、栄養睡眠カウンセラー 後藤康之

 

 

 

 

「肉ばなれ=安静」だけで本当にいいの? ― 回復を早めたいあなたに知っておいてほしいこと ―

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2025年06月22日

スポーツや部活動、ふとした日常動作の中で「ブチッ」と音がするような衝撃とともに走る激痛──
それが「肉ばなれ」です。

特に太ももやふくらはぎに起こりやすく、
「安静にしておいてください」
「まずは冷やして」
と医療機関で言われることが多いケガです。

もちろんそれは間違いではありません。
ただ、“それだけ”で本当に元通りになるのか?
という疑問が、現場でケガを見続けてきた私にはずっとありました。

この記事では、

  • 肉ばなれの正しい初期対応

  • 回復を早めるために必要な“動かす視点”

  • 受傷後2〜3日から始めるケアの重要性
    について、元実業団ラグビートレーナーの立場からお伝えしていきます。


【1】まずは「RICE処置」が正解です

「RICE処置」とは、

  • Rest(安静)

  • Ice(冷却)

  • Compression(圧迫)

  • Elevation(挙上)

の頭文字を取った、急性期のケガに対する基本の処置です。
肉ばなれにおいても、この対応がとても大切です。

特に受傷直後〜48時間は、

  • 出血の拡大を防ぐ

  • 炎症を抑える

  • 痛みを軽減する
    という目的で、冷やすこと・動かさないことが優先されます。

この期間に無理をすると、かえって損傷が広がり、治癒が遅れるリスクもあります。
ですので、まずは「冷やして休む」が正解です。


【2】“それだけ”で済ませると、回復が遅れることも

ここでよくあるのが、「痛みが引くまでずっと動かさずにじっとしている」ケース。
一見、慎重な対応に見えるかもしれませんが、実はここに落とし穴があります。

肉ばなれは筋肉の一部が断裂するケガですが、

  • 傷ついた筋肉を守るために「周囲の筋肉が硬くなる」

  • 痛みの記憶から「脳がその動作を避けようとする」

  • 無意識のうちに「かばいながら動くクセ」がつく

といった、身体全体の機能的な問題が残ることがあるのです。

その結果どうなるか?

👉 「痛みはないけど違和感が残る」「以前のように走れない」
👉 「再発してしまった」「別の部位に痛みが出てきた」

こうしたケースを、私は現場で何度も見てきました。


【3】2〜3日後、“動かし始める”ことがカギになる

中等度の肉ばなれの場合、受傷後2〜3日経過して痛みが落ち着いてきたタイミングで、
“やさしく動かす”ことがとても重要になります。

ポイントは、
❌ 強くストレッチする
❌ 負荷をかけて無理に動かす
のではなく、
✅ 軽く動きを出すことで神経と筋肉の反応を整える
✅ 「かばい動作」や「こわばり」を解除していく

こうした“動かすケア”に切り替えていくことが、
本来の筋肉の働きを取り戻すために欠かせません。


【4】ラグビー現場で学んだ「動けるように治す」考え方

私は以前、豊田自動織機ラグビー部のメディカルトレーナーとして、
実業団選手たちのサポートをしていました。

ラグビーは筋肉系のケガ──特に肉ばなれの多い競技です。
スプリント、ストップ、ジャンプ、接触。
シーズン中は毎週のように肉ばなれの対応をしていました。

その中で実感したのは、
「ただ治す」のではなく、「動ける状態で治す」ことの重要性です。

たとえば、痛みがなくなっても、

  • 本来の筋肉の出力が戻っていない

  • 動き出しのタイミングがずれている

  • 周囲の筋肉が過剰に緊張している

こうした状態では、再発や別のケガにつながるリスクがとても高くなります。

つまり、肉ばなれの回復=痛みが引いたら終わりではないのです。


【5】試合・仕事・日常に“間に合わせたい”人へ

「今週末にどうしても大会がある」
「仕事を休み続けられない」
「旅行までに動けるようにしたい」

そんな声を、日々の施術でもよく聞きます。

肉ばなれは決して軽いケガではありません。
でも、正しくケアをすれば、

  • 休養を最小限に抑える

  • パフォーマンスを戻しながら治す

  • 再発を防ぎながら復帰する
    という道も十分にあります。


【6】最後に|“自然に動ける身体”を取り戻すために

安静は必要です。冷やすのも大切です。
でも、その先にある「本来の動き」まで考えた回復プランこそが、
肉ばなれからの最短回復ルートだと私は思っています。

「ケガをしたから何もできない」ではなく、
「ケガをしながら“できること”に目を向ける」

そんな視点で、ケガの治療やサポートを選んでみてください。


📍 ご相談・お問い合わせはいつでもお気軽に
完全予約制|接骨院三幸堂
「肉ばなれの相談」とLINEやお電話でお伝えください

                        監修:柔道整復師 後藤康之


朝食が夜の眠りを決める?|よく眠るための「朝ごはん戦略」

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2025年06月21日

「夜なかなか眠れない」「疲れているのに寝つけない」「朝スッキリ起きられない」――
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

実は、こうした睡眠の問題の多くは、“夜”ではなく“朝”に原因があるのをご存じでしょうか。
本記事では、体内時計や睡眠ホルモンのしくみに基づき、「朝ごはんこそが良質な睡眠をつくる第一歩」という視点から、実践的な改善策をご紹介します。

さらに、筆者自身が栄養と睡眠を意識した生活を始めた経験も交えてお伝えします。


1|眠りの準備は“夜”ではなく“朝”に始まっている

私たちの体は、約24時間のリズムで動く「体内時計(サーカディアンリズム)」を持っています。
この体内リズムが整っていると、朝はスムーズに目覚め、夜には自然と眠気が訪れます。

このリズムの要となるのが、「セロトニン」と「メラトニン」という2つのホルモンです。

▷ セロトニン(昼のホルモン)

  • 朝〜日中に活発に分泌される
  • 気分の安定や集中力に関与
  • 夜の「眠気ホルモン」の原料になる

▷ メラトニン(夜のホルモン)

  • セロトニンを材料として夜に分泌される
  • 光を遮ることで分泌が促進される
  • 眠気を誘い、自然な入眠をサポート

つまり、日中にセロトニンがしっかり作られていないと、夜になっても眠りに必要なメラトニンが十分に出てこないというわけです。


2|セロトニンを作る材料は「朝食」にある

セロトニンの材料となるのは、食事に含まれる「トリプトファン」という必須アミノ酸です。
トリプトファンを脳内でセロトニンへと変換するには、以下の栄養素も同時に必要です:

栄養素 主な働き 多く含まれる食品
トリプトファン セロトニンの原料 卵、納豆、まぐろ、チーズ、バナナなど
ビタミンB6 トリプトファン代謝をサポート 鶏むね肉、まぐろ、玄米、にんにくなど
炭水化物 吸収を助ける ごはん、パン、バナナ、オートミールなど
マグネシウム 神経の興奮を抑える アーモンド、ひじき、豆類など
鉄・亜鉛 酵素の働きを補う レバー、赤身肉、牡蠣など

これらを朝のうちにしっかり摂ることで、日中の覚醒状態が安定し、夜の睡眠ホルモンの分泌にもつながります。


3|筆者の体験|サプリから始めて、朝食で変わった睡眠

私自身、数年前までは「眠りが浅い」「夜中に目が覚める」といった悩みを抱えていました。

その頃は、まずできることから始めようと、ソイプロテイン、マルチビタミンミネラル、トリプトファン、αリポ酸、バレリアンなどのサプリメントをいろいろ試していました。
体に合うものを選べば、確かに一定の効果は実感できましたし、サプリに頼ることへの違和感も特にありませんでした

ただ、ある時期から朝食を少しずつ整えるようになり、「栄養を日々の食事で摂れているな」と実感できるようになったことで、
自然とサプリを飲まない日が出てきました。やめた理由は「めんどくさくなっただけ」で、飲まなくても問題ない状態になっていたのです。

今では、必要なときだけ気軽にサプリを活用するスタンスに落ち着いており、
基本は「食事から整える」ことをベースにしています。


4|おすすめ朝食例|眠りの質を上げるレシピ

「朝は時間がない」「食欲がない」という方も、以下のようなスタイルから取り入れてみてください。

✔ 和風スタイル(バランス重視)

  • ごはん
  • 納豆 or 卵かけごはん
  • 味噌汁(具に豆腐・小松菜など)
  • バナナ

✔ 洋風スタイル(手軽に実践)

  • 全粒粉パン or オートミール
  • ゆで卵 or チーズ
  • ヨーグルト+はちみつ
  • バナナ or ナッツ

✔ 忙しい朝に(時短スタイル)

  • プロテイン+豆乳+バナナのシェイク
  • オートミール+ヨーグルト+フルーツ

大切なのは「何を食べないか」ではなく、「何を組み合わせて食べるか」です。


5|朝食をとる「タイミング」も重要

セロトニンは「光+咀嚼」で活性化します。
そのため、朝起きてから1時間以内に朝食をとるのが理想です。

また、可能であればカーテンを開けて太陽光を浴びながら食べましょう。
こうすることで、体内時計がリセットされ、夜にメラトニンがしっかり出る準備が整います。


6|サプリメントとの上手な付き合い方

朝食で十分な栄養を摂るのが基本ですが、忙しい日や体調がすぐれない日は、無理せずサプリメントを使っても構いません。

以下のようなサプリが、眠りの質を高めるサポートになります:

  • トリプトファン+ビタミンB6の組み合わせ
  • マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル系
  • プロテイン(動物性+植物性)を活用してタンパク質補給

ただし、「サプリを飲めば眠れる」は大きな誤解
サプリメントはあくまで「補助」であり、生活の土台が整っていてこそ効果を発揮します。


7|夜の眠りを整えたいなら、まずは“朝”を変える

多くの人が睡眠改善のために、

  • 夜のスマホを控える
  • 睡眠アプリを試す
  • 寝具を買い替える

といった対策を取ります。もちろんこれらも有効ですが、もっと根本的に効くのが「朝の習慣」です。

「光を浴びて、しっかり朝食をとる」
これができるだけで、体内時計は整い、ホルモンの分泌も自然な流れに戻ります


まとめ|よく眠るための「朝ごはん戦略」

睡眠の質を上げたいなら、特別なサプリでも寝具でもなく、まずは「朝の食事とリズム」を見直すことが近道です。

✔ 朝ごはん戦略まとめ

  • セロトニンは朝の光と朝食で作られる
  • タンパク質+炭水化物+ビタミンB群がカギ
  • 起床後1時間以内に朝食をとる
  • 忙しい日はプロテインやサプリを補助に使う
  • 習慣化することで夜の眠りが自然と深くなる

私自身も、「朝を変える」ことで眠りが大きく変わりました。
あなたもぜひ、明日の朝から一歩踏み出してみてください。
ゆっくり、自然に眠れる体は、毎日の朝ごはんから作ることができます。

 

監修:柔道整復師、栄養睡眠カウンセラー 後藤康之

 

 

 

 

 

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