スポーツや部活動、ふとした日常動作の中で「ブチッ」と音がするような衝撃とともに走る激痛──
それが「肉ばなれ」です。
特に太ももやふくらはぎに起こりやすく、
「安静にしておいてください」
「まずは冷やして」
と医療機関で言われることが多いケガです。
もちろんそれは間違いではありません。
ただ、“それだけ”で本当に元通りになるのか?
という疑問が、現場でケガを見続けてきた私にはずっとありました。
この記事では、
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肉ばなれの正しい初期対応
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回復を早めるために必要な“動かす視点”
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受傷後2〜3日から始めるケアの重要性
について、元実業団ラグビートレーナーの立場からお伝えしていきます。
【1】まずは「RICE処置」が正解です
「RICE処置」とは、
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Rest(安静)
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Ice(冷却)
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Compression(圧迫)
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Elevation(挙上)
の頭文字を取った、急性期のケガに対する基本の処置です。
肉ばなれにおいても、この対応がとても大切です。
特に受傷直後〜48時間は、
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出血の拡大を防ぐ
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炎症を抑える
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痛みを軽減する
という目的で、冷やすこと・動かさないことが優先されます。
この期間に無理をすると、かえって損傷が広がり、治癒が遅れるリスクもあります。
ですので、まずは「冷やして休む」が正解です。
【2】“それだけ”で済ませると、回復が遅れることも
ここでよくあるのが、「痛みが引くまでずっと動かさずにじっとしている」ケース。
一見、慎重な対応に見えるかもしれませんが、実はここに落とし穴があります。
肉ばなれは筋肉の一部が断裂するケガですが、
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傷ついた筋肉を守るために「周囲の筋肉が硬くなる」
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痛みの記憶から「脳がその動作を避けようとする」
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無意識のうちに「かばいながら動くクセ」がつく
といった、身体全体の機能的な問題が残ることがあるのです。
その結果どうなるか?
👉 「痛みはないけど違和感が残る」「以前のように走れない」
👉 「再発してしまった」「別の部位に痛みが出てきた」
こうしたケースを、私は現場で何度も見てきました。
【3】2〜3日後、“動かし始める”ことがカギになる
中等度の肉ばなれの場合、受傷後2〜3日経過して痛みが落ち着いてきたタイミングで、
“やさしく動かす”ことがとても重要になります。
ポイントは、
❌ 強くストレッチする
❌ 負荷をかけて無理に動かす
のではなく、
✅ 軽く動きを出すことで神経と筋肉の反応を整える
✅ 「かばい動作」や「こわばり」を解除していく
こうした“動かすケア”に切り替えていくことが、
本来の筋肉の働きを取り戻すために欠かせません。
【4】ラグビー現場で学んだ「動けるように治す」考え方
私は以前、豊田自動織機ラグビー部のメディカルトレーナーとして、
実業団選手たちのサポートをしていました。
ラグビーは筋肉系のケガ──特に肉ばなれの多い競技です。
スプリント、ストップ、ジャンプ、接触。
シーズン中は毎週のように肉ばなれの対応をしていました。
その中で実感したのは、
「ただ治す」のではなく、「動ける状態で治す」ことの重要性です。
たとえば、痛みがなくなっても、
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本来の筋肉の出力が戻っていない
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動き出しのタイミングがずれている
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周囲の筋肉が過剰に緊張している
こうした状態では、再発や別のケガにつながるリスクがとても高くなります。
つまり、肉ばなれの回復=痛みが引いたら終わりではないのです。
【5】試合・仕事・日常に“間に合わせたい”人へ
「今週末にどうしても大会がある」
「仕事を休み続けられない」
「旅行までに動けるようにしたい」
そんな声を、日々の施術でもよく聞きます。
肉ばなれは決して軽いケガではありません。
でも、正しくケアをすれば、
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休養を最小限に抑える
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パフォーマンスを戻しながら治す
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再発を防ぎながら復帰する
という道も十分にあります。
【6】最後に|“自然に動ける身体”を取り戻すために
安静は必要です。冷やすのも大切です。
でも、その先にある「本来の動き」まで考えた回復プランこそが、
肉ばなれからの最短回復ルートだと私は思っています。
「ケガをしたから何もできない」ではなく、
「ケガをしながら“できること”に目を向ける」
そんな視点で、ケガの治療やサポートを選んでみてください。
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監修:柔道整復師 後藤康之
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