暑い時期にギックリ腰が増えるのはなぜ? 〜冷房・冷たい飲み物・ストレスと腰の関係〜


こんにちは、接骨院三幸堂の後藤です。

毎年、梅雨が明けて夏本番を迎える頃から、「ギックリ腰」で来院される方が急に増えてきます。
寒い冬の方が腰を痛めそうなイメージがあるかもしれませんが、実はこの暑い時期もギックリ腰が非常に多くなる時期なのです。

今回は、真夏にギックリ腰が増える理由を「冷房」「冷たい飲み物」「ストレス」など、体の内側で起きている変化を中心に解説します。


ギックリ腰とは?

ギックリ腰(急性腰痛)は、筋肉や靭帯、関節、筋膜などが急にダメージを受けて炎症を起こすことで起こる、強い腰の痛みです。
「重い物を持ち上げたとき」「前かがみになった瞬間」「くしゃみをした拍子に」など、何気ない動作をきっかけに突然痛みに襲われます。

しかし、実際にはその“動作”が原因ではなく、その前から体に蓄積していた負担が原因であることが多いのです。


1. 冷房による「筋肉の冷え」

真夏の室内は冷房が効いていて、外との温度差が非常に大きくなります。外が35℃、中が25℃以下という環境も珍しくありません。

こうした温度差が続くと、体は自律神経のバランスを崩しやすくなり、特に腰や背中の筋肉が冷えて硬くなる傾向があります。

例えば、デスクワーク中に背中や腰に冷風が直接当たっていたり、寝ている間に腰を冷やしてしまったりすると、筋肉がこわばり、動かしたときに負担が集中し、ギックリ腰を起こすリスクが高まります。

こんな冷え方に要注意

  • オフィスで長時間、冷風が腰に当たっている

  • 寝室でお腹や足腰が無防備に冷えている

  • 暑さに耐えかねて冷房を強くしすぎている

特に「腰を冷やしているつもりはないのに、いつの間にか腰だけ冷たい」といった感覚がある方は、要注意です。


2. 冷たい飲み物の摂りすぎが内臓疲労を招く

暑いと、ついキンキンに冷えた飲み物や氷の入ったドリンクを飲みたくなります。
しかし、冷たいものを一気に飲み続けると、胃腸が冷えて消化機能が低下します。

内臓が冷えると、それを補うために体が筋肉を緊張させたり、内臓のまわりの筋膜が硬くなったりします。これが腰や背中にまで影響し、慢性的な緊張を生み出しやすくなるのです。

飲み物の工夫で予防

  • 冷たい飲み物は1日1〜2杯にとどめる

  • 常温の水やぬるめの麦茶を中心に

  • 特に食事中の冷たい飲み物は控える

体を冷やしすぎない飲み方を意識するだけで、内臓疲労からくる腰の緊張を大きく防ぐことができます。


3. ストレスと睡眠不足の影響

夏は何かと体が疲れやすい季節です。

高温多湿の環境、寝苦しさによる睡眠の質の低下、さらに仕事や家庭でのストレスが重なると、体は常に緊張状態になります。
このとき、交感神経が優位な状態が続き、筋肉はリラックスできず、柔軟性が失われていきます。

特に腰まわりの筋肉は、緊張がたまりやすく、その状態で急な動きをすればギックリ腰を引き起こすことに。

睡眠とリラックスのポイント

  • 寝る前にスマホや強い光を避ける

  • エアコンの風が直接当たらないように設定

  • ぬるめの湯に10分浸かる習慣をつける

  • 日中こまめに深呼吸やストレッチを

体と心を休める工夫を、日常の中に少しずつ取り入れていきましょう。


4. ミネラル不足で筋肉が誤作動を起こす?

夏は汗をかきやすく、水分補給が大切だと言われますが、汗と一緒にミネラル(電解質)も失われていることは意外と見落とされがちです。

ナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの電解質が不足すると、筋肉の動きがぎこちなくなり、けいれんや過緊張が起きやすくなります。
つまり、体が脱水ぎみだったり、ミネラル不足のまま急に体を動かすことで、筋肉がうまく伸び縮みできず、ギックリ腰につながるのです。

補給のコツと注意点

  • 汗をかいたあとは、水だけでなくミネラルも意識して補給

  • 麦茶+塩飴や、ミネラル入りの経口補水液などもおすすめ

  • スポーツドリンクは便利ですが、糖分が多いため飲みすぎに注意
     → 水で薄めたり、こまめに少量ずつ摂るのがベター

  • コーヒーやアルコールは利尿作用があり、かえって脱水を進めることも


5. 実は「運動不足」も原因のひとつ

暑さで外出が減ったり、冷房の効いた部屋でゴロゴロしている時間が増えると、腰まわりの筋肉が使われず、血行が悪くなります。

さらに、関節の可動域も狭くなり、硬い筋肉と不安定な関節という「ギックリ腰予備軍」の状態に。

自宅でできる簡単ケア

  • 朝と夜に「立ったまま腰を左右にゆらす体操」を10回ずつ

  • テレビを見ながらでもできる「もも上げ」や「股関節まわし」

  • ストレッチやラジオ体操などを毎日の習慣に

何も難しい運動でなくてかまいません。「動かす習慣」が何よりの予防になります。


まとめ:「冷え」「疲労」「油断」が重なるこの季節にこそ、腰に気をつけましょう

ギックリ腰は突然起こるように見えて、実は日々の小さな積み重ねが引き金になっています。

  • 冷房による筋肉の冷え

  • 冷たい飲み物による内臓疲労

  • ストレスや睡眠不足による緊張

  • ミネラル不足による筋肉の誤作動

  • 運動不足による柔軟性の低下

こうした複数の要因が知らず知らずのうちに積み重なり、「ちょっと前かがみになっただけ」でギックリ腰…ということになるのです。

特にこの時期は、まだ暑さに体が慣れていない方や、無理を重ねてきた方ほど注意が必要です。

「なんとなく腰が重い」「動かすと違和感がある」という方は、無理せず早めに専門家に相談してください。
痛くなる前の“予防の一歩”が、何よりも大切です。

監修:柔道整復師、栄養睡眠カウンセラー 後藤康之

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